【無宗教を御希望のお客様 −事例3】

◆無宗教のお葬式がご希望でしたが・・・◆

近ごろ、「私のお葬式は、無宗教でやって・・・」と希望される方が増えつつあるようです。

現在のお葬式に対して、伝統的習慣に縛られたくない・・・ チョット儀礼的すぎる・・・ 派手になってしまいそう・・・ 等々の色々な想いから、もっと自由に出来ないものかと考え始める人が多くなっているようです。
ただ一般的には、理解が充分得られていないために、トラブルがおこるケースもございます。
当センターでお取り扱いをしたケースをご紹介しましょう・・・

・・・それは、早春のある日でした。

「母が亡くなりました・・・」とお嬢様の涙ながらの声で当センターに電話がございました。お嬢様も取り乱されているご様子でしたので、急ぎご自宅にお伺いしました。
そこで、ご主人様(お父様)から、「本人は、余り多くの人に知らせず“無宗教”で執り行って欲しい」と希望されていたと言われました。
早速、家族葬や無宗教葬に慣れている葬儀社に連絡を入れてご遺族のご相談に乗っていただきました。
葬儀社では、ご自宅の最寄り駅近くで、こじんまりとした式場を手配し、式の日取り、その他の段取りも決めてご報告をさせていただきました。

その時、念のためと想いご主人様(お父様)に「菩提寺がございますか?」とお伺いしました。すると、ご主人様(お父様)は、菩提寺があること・・・自分の時は、菩提寺の住職さんにお願いするつもりでいること・・・を言われました。また、続けてご主人様(お父様)は、“家内は、生前より教会のボランティアなどをしていたので、俗名で好きな音楽でも流して見送ってやりたいし、家内の希望でもある”と言われました。

当センターでは、故人のご希望でありご主人様(お父様)の願いでもあることから無宗教でお見送りをさせてあげたいと考えましたが、万一お葬式後のご納骨などの時にトラブルが起こることがある旨をご説明し、ご主人(お父様)に「菩提寺のご意見をお伺いください。」とご進言させていただきました。

ご主人様(お父様)は、その場で菩提寺に電話を入れ事情をお話になられました。ところが、案の定、菩提寺の住職は、“そのような事はとんでもない・・・認められない。万一、無宗教でお葬式を行うようであれば、お墓を移してもらいます・・・何を考えているのですか!”・・・と怒鳴られてしまった始末。
ご主人(お父様)は、やむなく式場やその他の段取り全てをキャンセルし、ご連絡をしたご親族にもいったんお待ちいただくこととなりました。
ご主人様(お父様)は葬儀社と共に、再度、菩提寺の住職に掛け合い事情を説明したご様子でしたが、菩提寺の住職の考え方を変えることは出来ませんでした。

結局、従来の仏式のお葬式(家族葬)で行うことになりましたが、故人の希望、ご遺族の望んでいたお葬式が出来なかったことは大変残念でしたし、菩提寺のあり方にも疑問の残る事となりました。
せめても故人が好きであった百合の花を中心にした花祭壇でのお見送りとなりましたが、ご遺族の方々には大変感激をしていただきました。

後日、喪主様より当センターが紹介しました葬儀社が本当に親身になって式場手配や段取りを始め、菩提寺との折衝にも加わっていただき大変助かりました・・・とお手紙を頂戴いたしました。